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Wild Jimmy Spruill
Kansas City Marchってのは、あの Wilbert Harrisonの Kansas City でイキのいいギター・ソロをブチかましてくれた Jimmy Spruillの便乗盤(?)でございます。つーか、あのギターのウケがいいので、ここはいっちょ、それだけで押してみっか?てなもんだったんざんしょか?
てなワケで(あ、ホントかどーか判りませんよん。ムセキニンにそーだったりしち、って仮定してるだけですからねえ)、もう徹頭徹尾、彼のギターを主役に(とーぜん歌ナシ!)ゴリ押しでございます。
バックにはピアノもいて、典型的なブーギウーギ・パターンを弾いているんですが、あまり目立ちません。なんたって、サイドを切るギターもやけに「張り切っちゃって」て、めちゃめちゃキレのいい(良すぎる?)特徴的なカッティング・パターンを貫いてますよ。
さらにドラムはってえと、もしかして、ハイハットの上にタンバリン置いてねえ?っちゅーなんだか耳障りな付帯音がず〜っと鳴りっぱなしでげす。

でも、そんなの気にするふうもなく Jimmy Spruillのギターは炸裂しっぱなし。
かなりトレブリィなんだけど、あましサステインの無い音で、アーミングで音揺らしつつ、しかも時にグリッサンドも交えつつ、モロ元気よくトバしてまいります。
この音作りはカンゼンに「ギター」に照準を当ててますなあ。だから、普通だったら「ウルサイ!」ってド叱られそなサイドのカッティングもあれでいーみたい。
ただ、これが現代のギター・フリークたちにウケるか?ってことになると、ちょとギモン。
現代のイロんなギターのスタイルの中でも、ワリと共通してる、ってのが「音伸び」重視、ってとこじゃないか?と思うんですが、そこ行くと、彼のギターは減衰がハゲしすぎるよな気がするのよねー。
ま、だから某「I」楽器店の自社ブランド「M」っちゅーギターみたく、積層合板ボディにチープなハムバッキングなもんで、音ショボイ、なんてヤツでバリバリ弾くと、こんな感じになる、と。

さて、多くのブルースマンたちの足取りを追ってゆくと、とーぜんメイン・ストリームっちゅうのが、Mississippi Deltaから北上(ま、途中 Memphisや Helenaでの道草もあるよーだけど)して Chicagoへ、ってえ図式が有名ですわな。
他にも Texasから West Coastへ、というのもよく知られたルートです。
そこいくと、ややこじんまりとした「流れ」ながらも、North、あるいは South Carolinaから New Yorkへ、っちゅうアメリカ東海岸に特有のパターンも存在してるよーに思われます。

James ’WILD JIMMY’ Spruillは、1934年 6月 9日、North Carolina州の Washingtonで生まれているようです。
ただ、このひとの経歴に言及した資料が殆ど無く、そっから先で判っているのは、どうやら1955年あたりに New Yorkに出てきたらしいこと、あとはレコーディング・データと、1996年の 2月3日、North Carolina州の FaytteVilleで、心臓発作のために死亡した、ってことくらい。お手上げです。

ま、音がすべてを語ってくれてる、っつーコトにしておきましょ。
判ってる範囲では、彼が参加した最初の吹き込みは Charles Walker’s Band With Guitar-James Spruillの Driving Home, Part 1 / Driving Home, Part 2 (HOLIDAY 2604)で1956年のことです。
彼の自己名義での初吹き込みは1957年(1959年とする資料もありますが、それは「"Wild Jimmy"」 Spruill名義での初吹き込みであって、James Spruill and Bandを忘れちゃいけまへん)の「Honky Tonk Hucklebuck / Jumping In」 EVERLAST 5004でしょう。
間にまた James Spruill and Bandでの「Honky Tonk Hucklebuck / Jumping In」 CEE JAY 581(1957)と、Tarheel Slimの「Wildcat Tamer / Number Nine Train」にギターで参加した Fury 1016(1958)を挟み、1959年からは Wild Jimmy Spruillとなって(?)この「Kansas City March / Hard Grind」を Fireに吹き込んでます(FIRE 1006)。
Wild Jimmy Spruillとしては、他に「Scratch ’N’ Twist / Slow Draggin’」 EVERLAST 5017(1961)、「The Rooster / Cut And Dried」 ENJOY 2006(1965)。
そしてタダの(?)Jimmy Spruillで「Lonely Island / ?」 CLOCK 1038(1960)が、そしてちょっとだけちゃう Jimmy "Wildman" Spruill名義で「Country Boy / Scratchin’」 VIM 521(1962)があります。

アルバムでは、イギリス KRAZY KAT KK 7429(1984)、WILD JIMMY SPRUILL『THE HARD GRIND BLUESMAN 1956-64』がリリースされています。収録曲は
Kansas City March/ Hardworking Man (B. Brown & his Rockin’ McVouts)/ Hard Grind/ Driving Home Pt.1 (Charles Walker)/ Drafted (Wilbert Harrison)/ Slow Draggin’/ Rockin’ With "B" (B.Brown & his Rockin’ McVouts)/ Scratch ’N’ Twist/ Hard Times (The Slop) (Noble "Thin Man" Watts)/ Your Evil Thoughts
(Lee Roy Little)/ Charles Walker Slop (Charles Walker)/ Jersey City (Bobby Long)/ Believe Me Darling (June Bateman)/ Scratchin’/ Country Boy/ Cut And Dried

彼が録音に参加したミュージシャンは他に
Jimmy Lewis / Elmore James / King Curtis / Billy Butler / Bobby Donaldson / Danny Moore / Odie Payne / Levon Helm / Belton Evans / J.T. Brown / Johnny Acey / Paul "Huckle-Buck" Williams / Robbie Robertson / Charlie Musselwhite / Michael Bloomfield / Riff Ruffin / Melvin Lastie / Garth Hudsonなど、実に多岐にわたります。ま、こんだけカツヤクしてるワリには資料が無いってのがフシギです。

あ、そうそう、この Furyをやってる Bobby Robinsonってひとも Jimmy Spruill同様に、東海岸の South Carolina州から北上して New Yorkに来ていますね。

James "Wild Jimmy" Spruill、いまからほぼ 45年前のギターです。音的にはシンプルでストレート。でもその姿勢はアグレッシヴ!なんだか今のギタリストってトーンはアグレッシヴでも、フレーズは手アカのついた使いまわしになってません?逆だよね。



reserched by Othum: Blues After Dark


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by blues-data | 2005-12-21 22:49

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