Larry Graham
Sly & the Family Stoneの世界を造り上げるにあたって、とても大きなプレゼンスを持っていたのが Larry Grahamではなかったでしょうか?
いわゆるファンク専門(?)のベーシストからの評価では、彼以上に重要なプレイヤーってのもいるのかもしれません。
しかし、トータルなサウンドの中におけるベースの意味や、それ以上に「ベーシストの意味」として考えた場合、彼がただ「(テクニック的に)スゴいベーシスト」というのではなく、まずミュージシャンとしての資質としてユニークな存在なのだ、と考えています。

Larry Grahamは Slyと同じように、生まれたのは Texas州でした。
メキシコ湾に近い、Dallasから見て 5時の方向、Slyの生まれた Dentonからはおよそ 400km以上も離れている Beaumontで、1946年 8月14日に生まれています。とは言っても、そこにいたのは彼が二才(!)になるまでだったそうですから、「三つ児の魂、百まで」ってので行くと、彼の精神世界にとっては、むしろ、移ってきた街、San Franciscoの対岸の Oaklandこそが揺籃の地、と言えるのかもしれません。
ギターを弾く父と、ジャズ・ピアノを弾く母のもと、彼はまずドラムとタップ・ダンスを習い、次にクラリネット、ギター、サックスにとりかかったそうですから、そこら、ベースしか弾いてない「純粋ベーシスト」とは、おのずと世界観も違ってくるワケですなあ。

その彼が 15才のときに、クラブに出演していた母のピアノをメインに、彼がギター、そして他にドラム、というトリオで演奏していたらしいのですが、そこで彼はオルガンの足踏み用のベース鍵盤を見つけ、ギターを弾くかたわら、足ではベースを入れてた(器用なやっちゃ!)ら、その鍵盤が壊れちゃったらしいんですね。そこで、どーも、サウンドをトータルに見て、この場に必要なんはギターよりもベースなんじゃないか?と考えた彼はベースに転向したもののようです。
だよね~。ジャズにギターは要らん!(なんてまた物議を醸すよなこと書いちゃいましたねえ。ま、言うまでもなく、これはジャズの「マニアじゃない」ワタクシがほざいているだけですから、「正しい」マニアのみなさまは「フフン」と鼻で笑ってやってくださいませ。ご投稿は無用です)
最初はベース鍵盤が直ってくるまで、と思ってたらしいんですが、いっこうに修理される気配もなく、ま、それでやむなくベースも買ったらしいんですが、彼としては、ベースをフツーに弾く気はさらさら無かったみたいで、「だって、俺はギタリストでベーシストじゃない、と思ってたから他のベーシストからどう思われようがへーきだった」・・・う~ん、それが良かったんですなあ。まさに世の中、なにが幸いするか判りませんのじゃ。
そうしてるうちに、こんどはドラムが抜けてしまい、彼はリズム・セクションとして、よりパーカッシヴなプレイをするようになっていったらしく、そこで編み出されたのが親指で弦を叩く奏法だった、と。

そんな、やむにやまれぬ事情がバック・グラウンドにあっての「あの音」なワケで、そこら、日夜、寝る間も惜しんで切磋琢磨し、いかなベーシストでも目を見張るよな「すんげえ」プレイを開発せんとしてる「スーパー」・ベーシスト「じゃない」ってとこが逆にスバラしいんですねえ。だから彼のベースを聴いてても、テクニックに淫してないんですよ。
そして、そのように、あらゆる楽器のリズム楽器としての側面をフルに活かす、というコンセプトは、多少のアレンジを加えつつも、Sly & the Family Stoneのサウンドに具現化されてるよな気がしませんか?
ワタシなぞ、Thank Youのベース、ギターのリフ、ブラスの下降メロディ、などどれもが(もちろん「音高」がある以上、メロディ楽器でもあることは当然なのですが)リズム、あるいは半可通が濫用したがる「グルーヴ」なんてえコトバのために一丸となって「ちゃうこと」やってる(なんて言うと矛盾してる、って思う?へっへっへ、たぶん、Slyが好きなひとなら判ってくれるんじゃないかな?)とこに、このイノヴェーターの凄さがあるのだ!と言いたくなりますねえ。

てなワケで、ま、もちろん Sly & the Family Stoneにとっては、どのメンバーもそれぞれに重要な位置を占めている、とは思いますが、なかでも、この Larry Grahamの存在は、単なる「ベーシスト」というポジションを超えて、全体のサウンドをも左右するような、もっとも傑出したタレントであった、と考えております。
Larry Graham無しに Family Stone無し。(ま、逆もまた真なり、ではございますが)

ところで、Larry Grahamの使用楽器は、ってえと、ピアニストだった母とのトリオ時代、最初に買ったベースってのが「古い St. George」と語っているようですが、それってメーカーなのか、店名なのかもはっきりしません。
続いては Fenderの Precisionと Voxのベース(型式不明です)を使用し、またその後、Family Stoneから Graham Central Stationまで使用した Fender Jazz Bassがあります。
しかし、彼はそのベースを改良(?)すべく日本の Moonに特注して作らせた「純白」の Jazz Bassスタイルのカスタム・ベースを最近では専ら使っているようですね。
この Moon Larry Graham Specialは二個の Bartolini PU(ネック寄りの PUはストラトのリア PUみたいにスラント・マウントされてます)を搭載し、GHSのライト・ゲージ Bass Boomerが張られています。
足元には Morleyのヴォリューム・ペダルと A/Bスイッチ・ボックス、そしてそれぞれにつながる Rolandの Jet Phaserと Morley FUZZ Phaserという構成だとか。

アンプに関しては Sly & the Family Stone時代には SUNNを使っていましたが、その後、Fender各種や、Acoustic 360を経て、最近では Hughes & KettnerのBassBase 600( 650W出力) Hybridヘッドに BC 410あるいは BC 215キャビネットを組み合わせて使っているようです。


reserched by Othum: Blues After Dark


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by blues-data | 2006-10-22 12:35

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