the Beale Street Sheiks
いかにもバンドっぽい名前の The Beale Street Sheiks ですが、実際はヴォーカルとギターの Frank Stokes と、ギターに M.C.(っつーか、かけ声、合いの手、そして語りも含まれ、これをラップの始祖である、としてるひとがいましたが、いくらなんでも、それは・・・)を担当する Dan Sane(ときたま Sain としてるサイトもありましたが、その同じサイトで Stain なんて誤記も見つけたので、ちょっと「信用度」は低いかな?)の二人だけでなっている「ユニット」でございます。

実はこれにはもうひとつのユニットの存在が関わっております。
それが Sam Chatmon*の the Mississippi Sheiks で、いわばそれに触発されて結成した、と言うことが出来るんじゃないでしょか。

*Sam Chatmon─1897,JAN.10 - 1983,FEB.2、Mississippi 州の Bolton で、Chatmon Strings Band として知られていた有名な「音楽一家」に、11人の息子たちの一人として生まれていますが、その何番目なのか、また女の子はいなかったのか?などについては不明でございます。
ただ、父の Henderson Chatmon は「最初の」結婚で、その妻との間に(人数などは不明ながらも)すでに、多数の子供を作っており、その後、再婚した次の妻との間に生まれたのが上記の 11人である、としている資料もございますので、そーなると異母兄(&姉?)がはたしてどんだけいたものか?あ、そっちのほーは「音楽」とは関わりが無かったんでしょか?
ま、それはともかく、その子供たちはそれぞれ音楽の道に進むのですが、1920 年代の中頃から the Mississippi Sheiks の名のもとに活動を開始しておりますが、その音が録音されたのは the Beale Street Sheiks に遅れをとって 1930 年代に入ってからのこととなります。
この「 Sheiks 」というコトバそのものは映画俳優のルドルフ・ヴァレンティノ主演の映画から来たそうですが、映画、中でもアメリカの映画には「冷淡」なワタクシにその由来など判るハズもございません。本来ならアラビア圏における「首長・族長」などを表すコトバなんですが、アメリカでは「色男」ってえイミになっとるよーで、それがその映画以降なのかどうかも判りまへん。
とと、また脱線してましたねえ。
えー、その兄弟の中から双子の兄のひとり Lonnie( 1888 - 1942、双子のもひとりは Laurie )のフィドルとその友人のギタリスト Walter Vinson、そこに Sam も加わって活動していましたが、多くは街頭で、あるいはパーティなどでの演奏だったようで、たとえばマディなども、「彼らの演奏がある、と聞けば 10マイル歩いてでも聴きにいったよ」と回想するほど、有名な存在でもありました。Sitting On Top of the World のオリジネイター(あるいは初めてその曲を「レコード史上に浮上させた」ということかも?)と言われています。

Frank Stokes はそんな the Mississippi Sheiks に対する Memphis の対抗馬(?)として結成されたようで、彼は 1888 年の 1 月 1 日に Tennessee 州 Whitehaven で生まれた、とされていますが、Whitehaven っての、「ちゃう」方面でご存知の方がおられるかも?でございます。
Yes!あのエルヴィスが 1950 年代に土地を物色し、彼の Graceland を作ったのがこの Whitehaven なんですねえ。
Memphis のすぐ西に位置し、現在じゃあ国際空港もある場所となっておりますが、彼が生まれた当時は Memphis 郊外の農村地帯だったようです。

その後、どのような成長過程を経て来たものか、そこらの資料がどーやら欠落してるようなのでさっぱり判りませんが、1920 年代には既に Memphis の街頭や周辺の町でのパーティなどで演奏をしていたらしく、そのレパートリィはかなり広範囲にわたるもので、19 世紀の、いわば Pre-Blues 期の楽曲から、さらには白人の聴衆のためのストックも持ち合わせていた、とされています。
Dan Sane**のギターとともに活動する the Beale Street Sheiks は時にフィドルの Will Batts***も加えて Paramount と Victor に(ソロでのものを含めると) 38 曲を録音しています。

**Dan Sane─ 1904, JAN.24 - 1956, FEB.18、Mississippi 州で生まれています(資料によってはその生地を Michigan、としているものがありましたが、州名ではなくミシシッピー州内の地名とゆーのなら、どーも「見つかりません」。なんかのマチガイじゃあ?って気がしますが「似た」地名も無さそうなんで「?」でございます。さらに誕生日・出生地については次のとこで述べる疑問が・・・)ただ 1920 年代には Memphis に出てきたらしく、当初はフィドルの Will Batts のストリング・バンドで演奏をするうち Frank Stokes と出会い、the Beale Street Sheiks として 1927 年に Paramount に録音し、さらに 1928 年には Victor にレコーディングを行っています。しかし 1929 年にはふたたび Paramount に戻っています。
1952 年にリタイアするまで Stokes と一緒に演奏していました。 Memphis で死亡しています。
***Will Batts─さて、困ったことに、生年月日に出生地まで、上の Dan Sane と同じデータが記されております!つまりどっちかのデータが両方に使われてるんでしょうねえ。つまり、どっちもアヤしい、ってこと。
ただし、死んだ日は違ってて、1954 年 4 月 16 日となっていますが・・・
それはともかく、彼は父のストリング・バンドで 9 才の時から演奏をしていたそうで、フィドル以外にもギターとマンドリンも演奏できたようです。
1919 年には Memphis に移り、別な仕事を持ちながら Jack Kelly****のジャグ・バンドに参加し、1929 年の Frank Stokes の Paramount でのレコーディングにも参加しています。また前述の Jack Kelly の South Memphis Jug Band で活動していましたが 1933 年には ARC にレコーディング、1934 年には自分のバンドを率いています。
****Jack Kelly─ 1905 - 1960、Little Buddy Doyle の Okeh への吹き込みに参加したギタリスト&ピアニスト。 Jack Kelly's Jug Busters を結成し、後には South Memphis Jug Band のリーダーとなり、そのメンバーには Will Batts、そしてたぶん Dan Sane もいたものと思われます。
ピアニストとしての仕事は Jackie Boy 名義で Joe Hill Louis との吹き込みがあります。また、Memphis 時代の Eddie Taylor とも接触があったとされています。

さて、ゴタク(?)はともかく、この the Beale Street Sheiks、プリミティヴ、と言えないこともないのですが、さすが現場でもまれてきただけあって、それなりの完成度を見せてますよね。おそらく Dan Sane のトーク(?)は街頭では聴衆をからかったり、リアクションをいじったり、縦横に活躍していたんじゃないでしょか?ある種、話芸的な要素も街頭パフォーマンスではパワーを発揮したのでは?と思っています。そー捉えると、「ラップの始祖」なんてゆーのもあながちホラと言えないのかもねん。
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by blues-data | 2005-09-02 18:58

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