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Big Joe Williams
1903年10月16日、Mississippi 州 Crawford で Joe Lee Williams は生まれています。
David "Honey Boy" Edwards の言葉を借りれば、若いころの彼は南は New Orleans、北は Chicago に至るまで、ともかくよく歩きまわるミュージシャンだったそうです。
ワーク・キャンプ、ジューク・ジョイント、商店の軒先、大通りから裏通りまで、いたるところで演奏をしていたようです。

そんな彼も 1931 年にはいったん St. Louis ににとどまり、さらには詳しいことはよく判りませんでしたが、どうも一時期、Louisiana 州立 Angola 刑務所に収監されてもいたようです。
で、刑務所が出てきたついでの余談となりますが、彼は 1950 年代の後半に、とある刑務所で 12 弦ギターを弾く囚人に会った、と証言しているらしいのですが、実はその囚人こそ Barbecue Bob こと Robert Hicks の兄、Charley Hicks( Charley Lincoln あるいは "Laughing Charlie" としても知られる。内縁の妻が危害を加えられそうになったので、やむを得ず、という名目で人を射殺した罪により刑に服していた)だったようでございます。

ま、Big Joe Williams 自身の刑期はさほど長いものではなかったようで、無事出所して迎えた最初のレコーディングは 1935 年 2 月25日の Bluebird でのものでした。
そして同年10月31日の 2 回目のセッションで録音されたのが、この Baby, Please Don't Go でした。このときのバッキングは Sonny Boy Williamson IRobert Lee McCoy(つまり Robert Nighthawk ですね)。
この Bluebird には続いて 1937 年 5 月 5 日、1941 年 3 月27日、さらに同年12月12日の計 5 回のレコーディングを行っています(その録音は RCA International INT 1087 First Five Bluebird Sessions from 1935 to 1941 としてまとめられています)。
なお 1941 年12月12日にも Baby, Please Don't Go が録音されていますが、この時はバックに Sonny Boy と Alfred Elkinsという顔ぶれになっています。

1945 年 7 月12日には Chicago でふたたび Bluebird にレコーディング。
ここまではいわば Victor 系列のブルーバードに録音をして来ているのですが、同年 7 月22日、つまり僅か10日後には今度は、もろライヴァルの Columbia にまたまた Baby, Please Don't Go を録音しています( Columbia 30099 あるいは 37945、カップリングは Wild Cow Moan )。また同じ日に録音した Stack of Dollars / Mellow Apples Columbia 30107 あるいは 38055 も同じセットで、ベースに Ransom Knowling、ドラムに Judge Riley、そしてハープはもちろん Sonny Boy Williamson I でした。

続く 1947 年12月18日にはまったく同じセットで 6 曲(Banta Rooster Blues / House Lady Blues Columbia 30119、 King Biscuit Stomp / Don't You Leave Me Here Columbia 30129、 P Vine Blues / I'm A Highway Man Columbia 30191 )を吹き込んでいますが、Sonny Boy はこの翌年不慮の死を遂げてしまいますので彼との共演(そして Bluebird へのレコーディングも)はこれが最後となってしまいます。
1949 年には(日付不明) St. Louis で Bullet に Jivin' Woman / She's A Married Woman ( Bullet 337 )を録音。バックは Singleton Palmer のドラムでした。
1952 年には Jackson の Trumpet に Mama Don't Allow Me / Delta Blues ─Trumpet 151、 Overhauling Blues / Whistling Pines ─Trumpet 169、 Bad Heart Blues / She Left Me A Mule ─Trumpet 171 を吹き込み。

次の 1956 年10月16日の Vee-Jay へのレコーディングでは名義が Joe Williams から Po Joe Williams となっていますがそれはどうやら Poor の略だったようです。また、この Vee-Jay ではまったくの同一録音が、これまでの 10 インチ 78 回転 SP と、7 インチ 45 回転 EP の両方で発売されています。
1957 年 9 月 1 日から 3 日にかけて Chicago で録音された 6 曲では名義が Poor Joe Williams となっています。

その名前が Big Joe Williams と言われるようになったのは、1958 年の Delmark での Piney Woods Bluesからではないでしょうか。
そして、そこでも Baby, Please Don't Go が録音されているんですねえ。そして、その録音は後に Delmark 40 周年ディスクにも収録されています。
1965 年には Rockford カレッジでのライヴでもまたこの曲が録音され、それは 1998 年に発売されました。
1968 年、イギリスでもまた Baby, Please Don't Go を録音していますが、その前に American Folk Blues Festival の Evidence ECD 26200 にもライヴが収録されています。
さらに 1974 年にリリースされた ABC/Bluesway BLS 6080 Don't Your Plums Look Mellow Hanging On Your Tree にもまたまた Baby, Please Don't Go が収録され、さらに 1974 年のライヴ録音でも Baby, Please Don't Go が録音されました。

こうして数えてみると、今回判っただけでも 9 回、Baby, Please Don't Go を録音してるんですねえ。
そして 1982 年12月17日、Mississippi 州の方の Macon で Big Joe Williams は死亡しました。
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by blues-data | 2005-09-02 19:01

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