Brewer Phillips
この Brewer Phillips、出生について「たぶん 1930年ころと思われる」ってのと、「1924年11月16日生まれ」と言いきっているものとハッキリ別れております。この違いはなんざましょ?たいてーのとこは「1930?」説なんですが、VH1.comってとこでは前述のとおり 16 Nov.1924、と明記しております。ザンネンながらそっからは遡って行けなかったので、その原典などについては判明しませんでした。

ただし生まれた場所としては、どの資料でも Mississippi州の州都 Jacksonからほぼ北に 100kmほど離れた Coilaというところで生まれた、としているようです。綿花畑の続く丘陵地帯の中にある町で、綿花を加工して綿糸にする綿繰り機の音が聞こえ、他には郵便局があるだけの町だった、と本人はインタビューで語っています。彼は綿花の農場で育ち、まだ子供のころからブルースに親しんでいたようで、1940年代の終わり近くには West Memphis一帯でギグをしてまわっていたそうです。
また、このころ Eddie Taylorともよく一緒に遊び、「釣り仲間」でもあったそうですから、1923年生まれの Eddie Taylorとウマが合った点を考慮すると、1924年生まれ、ってえ説がやや信頼性が増すような気がいたしますなあ。

やがて彼はトラックのドライヴァーとなって Greenwood周辺から広く州内一帯を未舗装路の砂利をハネ飛ばしながら走りまわっていたようです。そして本人によれば、この時期から行く先々で将来の相棒となる Hound Dog Taylorと出会っていたようで、まっこと縁は異なものでございますね。
そしてこれは Eddie Taylorのところでも出てきましたが Memphis Minnieがまたもや登場いたします。彼が最初にギターを教わったのは彼女からである、っちゅーハナシがあるんですが、そこら真偽のほどは判りません。そのような「伝説」は確かに興味を惹きますが、それだけで彼のギターを語ることはモチロン出来ないし、また、「ありえない」なんて言えるほどの確信もまた無いワケで、ま、一応、そんなハナシもありますよん、程度で覚えといていただければ充分じゃないでしょうか?
ただし、この時期というのは Mississippi一帯に他にも伝説的なブルースマンがウジャウジャいた(は言い過ぎか?)ワケですから、タップリと養分を吸って熟成されたのは確かかもしれません。
ま、ひとりのギタリストがどのようにしてその自己のスタイルを形成したのか?なんてことは厳密に定量化できるワケもなく、どれも「可能性」に過ぎないのではございますが、ハタからすりゃあ、それを「あーでもない・こーでもない」とやるのが楽しいのも事実。リズムは Eddie Taylorから、シゲキテキなリード・ギターは Pat Hareからだ、なんてブンセキもありましたが、大事なのは、その個性が Hound Dogと出会って、実に「活きた」ってことでしょう。

最初、Roosevelt Sykesや Joe Hill Louis、そして Memphis Slimなどと仕事をするようになり、次いで Eddie Taylorに遅れること約三年、1952年にはいよいよ Chicagoに出てまず「大工」として働き始めたようですが、1957年には Hound Dog Taylorとウェスト・サイドのクラブ(原文では Tavernとなっています)で一緒になり、1959年には Houserockersに加わっています(ただし、その正確な時日については異説もあるようですが)。以来 1975年までその関係は続いた、と言われておりますが、1975年にその関係が壊れたのにはいささかアブナいエピソードがからんでおるのでございます。
これは 8月 4日付の日記、「Wild About You Baby / Hound Dog Taylor」でも紹介しましたが、当時 Hound Dogと Brewer Phillipsは「仲が良すぎて(?)」なかなかタチの悪い冗談を言い合っていたそうなんですが、それはもっぱら相手の奥さんと「お前が留守の間によろしくやったぜ」みたいなジョークを(かなりタチ悪いジョークだよね)アイサツがわりにしてたらしいんですが、ある日、ムシの居所が悪かったのか、Hound Dogがいきなり、いつものジョークをクチにした Brewerにハラを立ててピストルで撃ってしまったのでした。脚を撃たれた Brewerはそれからしばらく交際を絶った(当たり前だよね)のですが、その Hound Dogの癌が悪化して死が近づいていることを知った Brewerはついに彼を見舞いました。その和解の二日後、Hound Dog Taylorは還らぬひととなってしまったのです。

Hound Dog Taylorが死んだ後、彼は J. B. Huttoやカブ・コーダ(白人。1948.10.1-2000.7.1 )などと活動を続けています。
そして、かって Houserockersにはハナもひっかけなかった Delmark Recordsから自身のアルバム Home Brew をリリースしています。このアルバムは Bluespeak.comによって 1996年の Record of the Yearに選ばれたのですが、それを知らされた Brewer Phillipsは

I don't know why.
It sounds like shit.

とのたまったそうでございます。それが気に入った(?) Bluespeak.comはあらためて彼を 1996, Artists of the Yearに選定したのでございました。

その Brewer Phillipsも 1999年の 8月30日、Chicagoのサウス・サイドのアパートの自室で息をひきとりました。あの世でもこの二人なら、しょーもない冗談を言いあっていることでしょう。



reserched by Othum: Blues After Dark



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by blues-data | 2005-09-02 22:38

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