Cousin Leroy
Crossroad と聞くと、ほんとうのブルースを愛しておられるかたなら誰でも Robert Johnson のそれを思い浮かべますよね( え?E.C.? it's good, but not 'blues')。
あの Crossroad をどのように編曲あるいは歪曲したところで、かならずどこかに原曲の面影が残っているものでございます。
ところが、Cousin Leroy の Crossroad は違うみたいです。最初なんて例の I was a catfish・・・という一節に凄い似てるじゃあありませんか。もちろん、歌詞は違いますが。
悪魔との出会い、やりとり、ギターを仲立ちにした悪魔との取引など、たしかに Crossroad の伝説を歌ったものなのでございます。でも、どうやらベースとなっているのは Rolling Stone のほうでしょうが。
ただ、この録音は戦前じゃなく、1957 年の八月です。もはやそんな伝説なんて信じてる人間も減ってきてる頃、しかも大都会 New York での吹き込みです。
Cousin Leroy のヴォーカルにも、あまり緊迫感が見られないような気がするのは、そのような近代(?)の合理精神が黒人社会でも次第に浸透して来ていたせいである、などと言うのはいささか乱暴でしょうか。

バックのミュージシャンとして Jack Dupree(ピアノ)に Sonny Terry(ハープ)もクレジットされてはおりますが、聞こえますか?
ハープはかなり遠いところ(まるで隣のスタジオで演奏しているみたいな?)で鳴っているような気もしますが、ピアノはどうしても聞こえないのですが・・・
それどころか、最初、ソフトなトーンのギターにトレモロ・エフェクトをかけているように思った音ですが、これはハモンドの音じゃないのか?という疑いも出てまいりました。
ソロのところでは確かにギターが二本聞こえていますから Larry Dale のギターと、Gene Brooks のドラムは確実みたいです。でも、明らかにベースも入っているようですが、そのクレジットはありません。

全体にさすが New York という、ややモダンなテイストが感じられるような気がいたしますが、わたしだけでしょうか?
ただ、この唄い方、どこかで聴いたことあるなあ、と考えてみたら Johnny Guitar Watson だ!

Cousin Leroy の本名は Leroy Rozier ですが、例の Indiana 州 Richmond の Starr Piano Company による Gennett レーベルに、この'Crossroad'をはじめ、Match BoxHighway 41Catfishの4曲 など(など、というのは歯切れが悪いけれど、それが全部かどうか確認がとれてないので、断言できないのです)を吹き込んでおります。

後記;一部の資料ではまた別なレコード・レーベルからリリースされた、として以下のリストが掲載されていました。

Goin' Back Home / Catfish: GROOVE 0123: 1955
Highway 41 / Will A Matchbox Hold My Clothes: EMBER 1016: 1957
I'm Lonesome / Up the River: EMBER 1023: 1957
Waitin' At The Station / Crossroads: 1960

Lists by http://www.wangdangdula.com/

さらにまた別な資料では

String Beans( 2 take いずれも unissued )
Woke Up With The Blues
Sail On
VooDoo

もまた Cousin Leroy Rozier が吹き込んだ、としていましたが、そのリンク先は販売業者であり、在庫が無い現在ではその記述は見当たらず、これも確認はできていません。

Wikipedia のレコード・レーベルの項目で見る Gennett は「1948 年以降、その活動はきわめて低調になった」という記載がありますので、録音はしたものの、そのソースを他社に提供したものか、あるいは、この頃の Gennett では、他社からのプレス業務だけを請け負っていた、とする資料もありますから、そのような縁で流されたものかもしれません。
どちらにしても、そのへんの資料は( Gennett についての資料は「皆無ではない」のですが、その場合でも、以下に述べる他のスターたちに埋没し、Cousin Leroy の名前が出てくることはありません)いまだ発見できていないのでなんとも言えませんが。


ついでに、この Gennett に吹き込んだ他の方々も紹介いたしますと、あの Pee Wee もPoppa StoppaDedicating the BluesCalifornia WomanHuckleboogieCrayton Specialを録音し、さらに Bo Diddley、Little Walter、John Brim、Johnny Shines、J.B.Hutto、Otis Span、Billy Boy Arnold、Lowell Fulson、Roscoe Gordon・・・などなど、けっこう凄い顔ぶれでしょ?

1955 年と 1957 年の 2 度のセッションで録音されたナンバーが、その Gennett に収録されているようです。
ただし、オリジナルは Gennett じゃなかった可能性も?
例えばHighway 41など、Ember 1016 として 45r.p.m.のシングルとしてリリースされております。また Ember からは他にも 1023 としてI'm lonesome も出てますしね。

この Cousin Leroy、どうやら、まったく資料が見当たらず、その出身地すら判りません。
しかし、とある New York のニュース・コラムにこんな記事を発見いたしました。

JAN. 22 2004 ─
ホームレスには安住の地無し
赤貧、洗うがごとき Georgia でのかっての生活ですら、屋根の下で起居していた Leroy Rozier さんだが、ブロンクスの片隅ですでに 50年を過ごしている・・・
NOTICE: If the name of "Nipponia nippon" was included in the thing which translated this sentence, the translation software is SHIT!


なんだかいまひとつ、なにが言いたいのか判らない短いセンテンスしか発掘できなかったのが残念ですが、この Leroy Rozier さんというのが Cousin Leroy だとすると(ブロンクスで 50年以上も、というのも符合するし)、Georgia 州の出身ということになりますね。

もちろん、この Rozier さんがその Rozier さんと同一人物だ、という証拠はなにひとつございません。

さて、2012年になって
http://blindman.fr.yuku.com/topic/44118#.UJPTfBzl5ak
というフォーラムにおいて Cousin Leroy は 2008 年に亡くなっていた、という記載がありました。ただ、現在のところ、そこ以外のルートで同様の記述には出会っておりません・・・


reserched by Othum: Blues After Dark


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by blues-data | 2012-11-02 23:39

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