Julius "Mercy Baby" Mullins
みなさまは誰のヴァージョンでもいいから「Hoochie Coochie Man 」を一度はやったことございますでしょ?あのトニックのまま延々と(はちとオーヴァーだけど)行って、やっとサブ・ドミナントに上がるってえ独特な構成、こりゃもうブルース界のジョーシキでございますから、この手のスタイルの代名詞として使われとるくらいでございます。
しか〜し、ブレイクがらみじゃなく、しかも Lightnin'みたく、ワシが変えたいときに変えるんじゃ!ってのでもない、いわば確信犯的最長不倒距離(?)にチャレンジしたんじゃないの?ってのが、Julius "Mercy Baby" Mullinsの「 Marked Deck」( Ace Blues Masters, Vol. 2: 4th and Beale and Further South WESTSIDE WESM 554)なのよねん。

一番の歌じゃ、うん、フツーじゃん?って感じの「二つ目上がる」ごくマトモなブーギでございます。
そして二番に入ると・・・え?ええ?ええええ〜?ってなくらい B♭のままで行きます。
ホント延々と行きます。
どのくらい行くかってえと、「標準」の実に 6倍!24小節もそのまま行っちゃうのですよ!(さすがに 20小節目でベースが早トチリして E♭に行きかけますが、急いで戻って来てるのよねー。あれ収録終ってから「おめえ、あそこでチェンジしかけたろー」なんてイジメられたかも)で、よーやくサブ・ドミナントに上がって、そっからはフツーか?と思うと、トニックの後でなんと、もいっかいサブ・ドミナントに行って(つまり、そっからフツーの12小節のブルースでいう 5小節目になった感じ)よーやくまともなパターンになるんですよこれが。つまり、全体じゃ実に 36小節の構成になっておりますのじゃ。
う〜む、いいですねえ。A-A'-Bってえブルースの形式とは離れた、Aが異常に発達した(つまりフーチークーチーだってそうじゃん?)っつうフォームもあり得るし、そこにもってきてテキサス伝統の(?) A部分を自由に好きなだけ突っ込むってえ美風(?)がこのよーな怪挙をなさしめたのかもしれませんなあ・・・ってのはモチロン冗談ですから、本気にしないでねん。

さて、ご紹介が遅れましたが、この Mercy Babyこと Julius Mullinsはワタクシの大好きな Frankie Lee Simsのバックでドラムを叩いとったおっちゃんで、Frankie Lee Simsについちゃあ 7月26日付の日記をご参照下さいませ。この Julius Mullinsもちょこっと登場いたしておりますよん。
この Frankie Lee Simsの ACEへの吹き込み「My Talk Didn't do Any Good / I Warned You, Baby ( ACE 539)」は1957年、Texas州 Dallasで吹き込まれていますが、そのメンバーのまま、引き続き Julius "Mercy Baby" Mullinsをヴォーカルとするこの曲の吹き込みにナダレ込んだと思われますので、Willie Taylorの piano、B.J. Brooks & Jack Whiteの tenor sax、そして guitarが Frankie Lee Simsと思われます。オープニングのギターがいいですねえ。さすが Frankie Lee Sims!

ただしカンジンの Julius "Mercy Baby" Mullinsの Biographyは「発見」出来ませんでした。
ってゆうか、そのヘンの資料が無いブルースマンってケッコウいますからねえ。先に資料が揃ってるのからやっちゃった、みたいなとこがあって、次第に霧深い奥地(?)に踏み込んで来ちゃうのはいたしかたないワケですなあ。
ま、彼について他に判ってることと言ったら Ricにも「Pleadin' / Don't Lie to Me 」というシングルがあり、さらに自分自身のレーベル(!) Mercy Babyでも一枚シングルがあるらしいのですが、そちらはちょっと曲数・曲名も不明です。



reserched by Othum: Blues After Dark


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by blues-data | 2005-09-11 00:43

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