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Junior Walker
銃声(らしき音)が轟いた後、ファンキーなリズムが始まる「 Shot Gun」。そこにジュニア・ウォーカーのサックスがいきなり斬り込んで来ますが、門外漢のワタクシの勝手な印象としちゃあ、キング・カーティスには「及ばない」よな気がするんですが、斯界の先達のみなさまがた、如何なもんでしょ?
ま、そりゃあともかく、この曲はカヴァーされてる率で言えば「Memphis Soul Stew」に「勝って」るかもしれません。
日本で1966年あたりから本格化した「グループ・サウンズ」のブームの中で、まずスパイダーズがこれを演奏してるのを TV番組(曜日は忘れましたが、午後 7時半からの 30分番組で、後にはブッカーT&MG’sも出て、スティーヴ・クロッパーのカッコ良さにブっとんだもんでしたよん)で観たのが最初でございます。メンバーの井上尭之(ギター)がどーやらそのヘンが好きだったみたいで、「Mustang Sally 」や「Knock On Wood 」も彼らの演奏で「知った」記憶があります。

Junior Walkerは、1931年の 6月14日、Tennesse州の Memphisのほぼ 100km北に位置する Arkansas州の Blythevilleで Oscar G . Mixonとして生まれています。
ただしすぐに Autry DeWalt IIと改名したんだそうで(?)資料によっては本名をその Autry DeWalt IIとしているものもあります。( A.M.Gによると Audrey Dewalt 。でも、Audreyって女性の名前じゃあ?)
しかし、彼が育ったのは、Indiana州の South Bendです。
そこのハイ・スクールに在学中にサックスを始め、すぐに自分のバンドThe Jumpin Jacks を作りました。メンバーは他にピアノの Joe Neil(後に Fred Patton)、ドラムの Paul Smithからなり、ジュニアが他のグループにも加わった後は Michigan州 Nilesのジャズや R&Bのクラブに出演するようになりました。
やがてドラムも Billy Nicksに変わり、トリオ名も Billy "Stix" Nicks and the Rhythm Rockers となっています。メンバーは Fred Pattonのピアノ&オルガン、そしてドラムが Billy Nicksで、サックスはもちろん Junior Walker。
ここに時にヴォーカルの Willie Woodsを加えたクァルテットになりますが、Woodsは後にギターも弾くようになって行きます。その Billy Nicksが陸軍で兵役につくため抜けたグループを、ジュニアはまたThe Jumpin Jacks として復活させ、Michigan州 Battle Creekに移り、さらに The Junior Walker All Starsとしてスタートさせました。メンバーはキーボードに Fred Patton(後に Victor Thomasに変わっています)、ギターとバック・グラウンド・ヴォーカルに Willie Woods、ドラムに Tony Washington(後に Jack Douglasに変わりますが、ライヴで叩いているものの、録音には参加してないみたい)です。
Johnny Bristol(シュプリームスでお馴染みのSomeday We’ll Be Together を1961年に歌ったひとだよん。Johnny And Jackie のかたわれ)のススメで Harvey Fuquaの Harvey labelと契約したのですが、1963年に、その Harvey labelと Tri-Phi labelsは、丸ごと Motown Recordsの傘下に組み入れられてしまいました。
したがって Junior Walker and the All-Starsもモータウンの傘下のレーベル Soulに吹き込みを開始しています。

1965年のアタマに入れたこの「Shotgun」は R&Bチャートで堂々の 1位!ポップス・チャートでも 4位にまで駆け上がり、一躍スターとなったのでございます。
そっからはもう連続して「Do the Boomerang(R&Bチャート 10位)」、「Shake and Fingerpop(R&B #7)」、「How Sweet it is(R&B #3/Pop #18)」とヒットをトバしてます。
このころはドラマーが James Gravesだったようですが、その彼が去った後、再び Billy "Stix" Nicksを招き、さっそく彼がパワーを発揮したのが1966年の「I’m a Road Runner(R&B #4/Pop #20)」のヒットでした。
この曲はあの King Curtisをはじめ、ハンブル・パイもフリートウッド・マック、そしてお馴染みピーター・フランプトン自身も、さらには Dr Feelgoodもカヴァーしているのねん。スゴいでしょ?
あ、ついでに、「Shotgun」は?ってえと、こちらは日本のバンドや Kingsmen、Clover、Cilla Black、Vanilla Fudge、Ventures(!)、Lonnie Mack、Clarence Clemonsなどなど・・・これもかなりカヴァーされてますねえ。しかも、レコーディングされてなくても、ライヴ・ステージではやってる、ってえグループもかなりあるんじゃないでしょか?

1967年には「Pucker Up Buttercup(R&B #11/Pop #3)」、「Come See About Me(R&B #8/Pop #24)」、1968年には「Hip City, Part Two(R&B #7)」、1969年「What Does It Take(R&B #1!/Pop #4)」、「These Eyes(R&B #3/Pop #16)」、1970年「Gotta Hold On to This Feeling(R&B #2/Pop #21)」、「Do You See My Love(R&B #3/Pop #32)」、1972年「Walk in the Night(R&B #10/Pop #46)」・・・

ジュニア・ウォーカーは1970年代を通じてレコーディングをしていますが、1979年には元モータウンの Norman Whitfieldのレーベルにも録音し、さらに Foreignerのヒット「Urgent 」でもサックスのソロをやってます。1990年代にはツアーも組みましたが、1995年11月23日、Michigan州 Battle Creekで癌のため死亡しました。

彼の死後も Billy "Stix" Nicksは Billy Wilsonを擁してバンド活動を継続し、Junior Walker & The All Starsとして 21世紀を迎えています。現在のメンバーは、Billy "Stix" Nicksのドラム、サックスは Willie Rankin、バッキング・ヴォーカルは Roschelle Laughhunnと Kathy Hannemann(いわゆる Kat Webb)、リード・ヴォーカルは Jon Gee、ギターが Kevin Lewis、ベースは Billy Wilsonとなっています。



reserched by Othum: Blues After Dark


by blues-data | 2005-09-12 21:39

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