King Solomon Hill
ものスゴい高い声域で始まるこのブルースは、おそらく本来は Vestapolチューニングの Dオープンだと思うのですが、どーも D#になってるのはタブン、マスター起こしの際の SPの再生速度が早過ぎたんじゃないか?と思うのですが。
ま、あるいはモトモトのチューニングがいーかげんだった、っつう可能性もありますけどね。
つーワケで、おそらく Dオープンのワン・コードのブルースです。でもリズムはしっかりブーギに基本形に近付いていますね。この King Solomon Hillさん、Yazooのライナーによれば、ラップ・スタイルじゃなく、フツーにギターを抱えて弾いていたようで、そのせいか、ひとつひとつの音がクリアーかつ正確に弾かれておる、とされとりますが、たしかにリズムまわりの小細工(?)もアイマイさがなく、キッチリとしたブーギ系の腰の据わり方ですよね。

表面的にはワン・コードのブルースという形になりますが、ギターを意識せずに、彼の歌だけに集中して聴いていると、フシギなことに、実際には弾いていない、サブ・ドミナントやドミナントの「香り」が漂ってきて、12小節構成のブルース進行を感じられるんですよ。たぶんこれはワタシだけじゃなく、聴いてみていただけば判ると思うんですが、そのようなコード進行に移行していく前段階、って気がしますね。ココロはコード・チェンジしてる、みたいな(?)。

彼の録音は1932年に Wisconsin州の Graftonで Paramountのために行われた 6曲が Document CD #5036に収録されています。他にも 2曲、リリースされてはいるんですが、オリジナル・マスターが散逸して失われた録音があって、長いこと歴史から消滅していたんですが、John Teftellerというコレクター(かって Tommy Johnsonの SP一枚に 11,000ドルを支払ったこともあるんだって!)が同州の Ozaukee Countyでついに発見し、歴史の闇の中から甦ったのでございますよ。

King Solomon Hill( Joe Holmes)は 1897年に Mississippi州 McCombで生まれています。
あちこち流浪を重ねジューク・ジョイントを渡り歩いた、なんて話もありますが、正確な資料が発見できませんでした。一応 Louisiana州の北部の Sibleyをベースにしていたようです。
そして1928年には Blind Lemon Jeffersonと出会い、一時期、行動を共にして大きな影響を受けています。彼のレパートリィはその大半を Blind Lemonから受け継いでいるようで、その辺りは Gayle Dean Wardlowの著書『Chasin' the Devil Music 』に詳しく書かれているそうです(ワタクシは読んでいないのですが)。
彼のブルースはファルセット・ヴォイスでの歌と、間に合わせで使って以来らしい牛の骨によるスライド(!)に特徴があるそうですが牛の骨ってのはスゴいですねえホントだとしたら。

Paramountへの録音の後、彼はふたたび各地のジューク・ジョイントをめぐる旅についたのですが、極度のヘヴィ・スモーカーでかつ大酒呑みだったのが原因だったのか、1949年に Louisiana州の Sibleyと Fryeburgの中間にある小さな町 Heflinのちかくで倒れ、脳内出血により死亡した、とされています。



reserched by Othum: Blues After Dark


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by blues-data | 2005-09-13 15:24

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