Lil' Ed
1971年に、あの Hound Dog Taylor and the HouseRockersのレコードを作りたい、という一心でAlligator Recordsをおっぱじめた Bruce Iglauerによれば、1980年代の後半に向かっての戦略として、まだ無名だが、将来の戦力になり得るタレントを発掘しようとして集めたグループやミュージシャンの中にこの Lil' Ed Williamsがいたそうです。
その日三つのセッションを予定していた最後が彼らで、スタジオでのセッション経験が無いらしく、最初はダイジョブかいな?くらいに思ってたのが、いざ始めてみたら「荒削り」ながら光るものがあったため、スタジオの時間を延長してどんどんやらせたところ、次第に調子が上がって来たので、一気にアルバム一枚分プラス、コンピレーションに収録する分まで、まとめておよそ 30曲を 3時間で録音し切ったそうです。

Elmore系のイントロ(音的にはちょい Hound Dog入ってるかも)から始まる腰の据わったブーギは、やや勢いだけで突っ走ってるみたいなとこもありますが、でもヴォーカルは意外とステディに歌い込んでて好感がもてます。どーやらワタクシがあまり評価してない J. B. Huttoは彼の叔父にあたるらしいんですが、この甥のほうがいいなあ。
Chicagoのウエスト・サイドで 1955年 4月 4日に生まれた Ed Williams(たぶん正しいフル・ネームは Edwardってんじゃないかと思うんですが)はその叔父をはじめとしたブルースマンたちの中で育ったおかげか、12才ですでにギター(おまけにドラム&ベースも、らしい)をこなしていたそうでございます。Half Brotherって言うから異父兄弟あるいは異母兄弟と思われる Pookieってのと一緒だったらしいですが、1975年にはともに Blues Imperialsを作っています。
The Blues Imperialsはウエスト・サイドのクラブ Big Duke's Blue Flameで初のライヴを行い 6ドルのギャラを分けあったそうです。その後もウエスト・サイドのクラブで軒並み演奏していたようですが、それだけで喰っていけるほどの収入とはならず、昼の仕事をヤメるワケにはいかなかったようです。Edはカー・ウォッシュで、Pookieはスクール・バスのドライヴァーを勤めながら毎晩クラブに出演していたのですが、そんな彼らの存在が Alligator Recordsの Bruce Iglauerの耳にまで届いたのが「転機」となったものです。

その当時 Bruce Iglauerは地元で新しい才能を発掘して『The New Bluebloods 』というコンピレーション・アルバムにまとめることを考えていたのですが、その中に the Blues Imperialsも含まれることになりました。
どうやら、実際に彼らのライヴも眼にしたことがあるらしく、スライド・ギターには一目おいたようですが、実際のレコーディングで、そのバンドがどれだけのポテンシャルを発揮できるか?については多少の疑問も持ってはいたようです。しかし、Hound Dog Taylorのために Alligatorを興したことでも判るとおり、根っからのスライド・ギター好きらしい Bruce Iglauerは「ダメもと」くらいの軽いキモチで彼らをスタジオに呼んだようで、オムニバスに彩りを添えてくれれば充分、くらいの期待だったんじゃないでしょか。
しかし、実際に 1986年の 1月、3つのバンドに 4時間ずつ、と12時間連続でスタジオをおさえ、前ふたつは滞り無く終わり、そこに現れた Lil' Ed and the Blues Imperialsは、初めてスタジオってものを見たらしく、しばらくは物珍しそうにしてたようですが、いざ音を出させてみたところ、Bruce Iglauerは、彼らのポテンシャルに気付いたようで、スタジオではあっても、一種のライヴの雰囲気で演らせよう、と音量も演奏の順番も好きなようにさせてみたそうです。The Blues Imperialsの演奏はどんどん尻上がりに調子が出て行き、パーティション・グラスを挟んで対峙していた Bruce Iglauerばかりか、レコーディング・エンジニア、立ち会っていた Alligatorの社員もミキシング・ルームで踊り始めていた、といいますから一種の「お祭り騒ぎ」的状況の中で録音は進行したようで、結局コンピレーション用のナンバーどころか、アルバムまるごと一枚分プラス・アルファのテイクを録ることが出来たのでした。
この時のテイクから選ばれた 12曲が彼らのデビュー・アルバム Roughhousin'となりました。
The Blues Imperialsは、Lil' Edのギターとヴォーカル、ベースに James "Pookie" Young、ドラムには Louis Henderson、そしてサイドには白人のギター、Dave Weldという構成です。

このRoughhousin'の後には 1989年の Chicken, Gravy And Biscuits、1992年の ...What You See Is What You Get(ジャケットからすると白人のサックス・プレーヤーが加わってるみたい)、1999年の Get Wild!、2002年の Heads Up!があります。詳しくは↓
http://alligator.com/store/artist.cfm?ArtistID=013
でどうぞ。



reserched by Othum: Blues After Dark


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by blues-data | 2005-09-13 23:07

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