Lucille Spann
1972年の Ann Arbor Blues & Jazz Festivalの Otis Spann Memorial Fieldでの印象的なステージでは、冒頭、地元 Ann Arborの FM局 WNRZで「Toke(ミス・スペルじゃなく、ホントにこー綴られてます) Time」っちゅう Bluesと Jazzの番組を持ち、Ann Arbor Blues And Jazz Festivalの Co-producerでもある John Sinclairの M.C.で、「このフェスティヴァルを今は亡き Otis Spannに捧げます。」に始まり、マディがそれを受けてスパンについて触れ、その未亡人 Lucille Spannを紹介します。その Lucilleの声も震えがちな答辞の次に Dedicated to Otisというスロー・ブルースが収められていますが、実際に当日にもこの順番だったかは判りません。

Lucille Spannは1938年 6月23日 Mississippi州 Boltonで生まれています。
本名についてふたつ説があるようで、Lucille Jenkins Spannとするものと、Mahalia Lucile Spannっての。
モチロンみなさまご存知だとは思いますが、あの Otis Spannの未亡人です。

Dedicated to Otisはウェットな Mighty Joe Youngのギターで幕を開けます。そして Lucilleの前説が入り、いざ歌い出すともうフル・パワー!
なんだかコラエてきたものを全てブチまけるよな「激しい」モノローグのようなブルースが叩きつけられます。あまりのテンションの高さに疲れちゃいそなイキオイですが、ひとつのパフォーマンスとして捉えたとき、これほど「哀切な」心情を表現し得たブルースはあまり無いように思います。地声からシャウトに盛り上がって行く様子も不自然ではなく、あたかも感情の昂ぶりに操られるまま移行するがごとく昇華させてゆく・・・カタルシスってヤツかしら?
死者を悼むのにふさわしいような「沈鬱さ」を時に折り混ぜて低く徘徊するベースは Sylvester Boins。Rick Wrightの Fender Rhodesかと思われるピアノは、そのローズ臭さが時にハナにつきますが(どころか、フレーズもハナについたりしちゃうんですが)ま、Otis Spannに捧げる、ってんで健闘してるほーじゃないでしょか?やはり「もろ」ブルースに Rhodesの音は合わないよねえ。
良くトレースし、ヴォーカルを盛り上げているドラムは Alvino Bensonです。あまり目立たないけどブラスは Charles Beachum(tp)と Walter Hambrick(ts)のふたり。
彼女自身の経歴であるとか、そのへんはどうもよく判りませんでしたが、あるいは、この一曲に込められた「音」こそが、ある意味、もっとも饒舌に彼女という存在を語っているのかもしれません。



reserched by Othum: Blues After Dark


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by blues-data | 2005-09-15 00:02

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